7月例会報告 ボトムアップの組織論
2015年7月6日
報告者:広島安芸南高校サッカー部監督 畑 喜美夫氏
昨年の広島西経営研究会の例会でとても反響があり、会員からの要望が強かったため、このたび広島経営研究会でも広島安芸南高校サッカー部監督(ボトムアップパーションズ協会代表理事)の畑喜美夫氏をお招きして例会が行われました。
無名の高校をトップダウンではなく「ボトムアップ」の育成方法で日本一のチームに育て上げたことでサッカー界のみならずメディア、企業からも注目されておられます。偉業を成し遂げてこられた畑氏が、新しく赴任した高校のサッカー部で、まず行うことが毎日の練習を週2回にして、身の回りの整理整頓を徹底させることから始めるのです。
練習量を減らし整理整頓を行うこととチームを強くすることが結びつかないのではと感じるのが一般的だと思います。しかし畑氏は「量よりも質」「勝つことより道徳心・倫理観」が大切だというのです。そして社会に通用する「人間力」を持った選手に育てたい、といったミッションを掲げて指導されているのです。
我々中小企業でも通ずるものがあるのではないでしょうか。売り上げ目標を達成することが目的であれば、それ以上の成果は期待できず限界がやってくるはずです。しかし生産性を高め企業目的を果たすためには、社員さんひとりひとりの自主性や能力を活かす環境づくりが求められてきます。
また畑氏は、選手の自主性を高めるために「一人一役制」といった制度を活用して選手たち全員に役割を持たせているのです。そうすることで個々に責任感・やりがいが芽生え、自主性を持った選手が育っていくのです。
このように、畑氏は「ボトムアップ理論」がこれからの日本を支えていくための新たなモデルになると可能性を示してくれました。
広報委員 山口大介(㈱源)